iPadをビジネスで活用し働き方を革新するための必須アイテムとして、通信環境や便利なクラウドサービスを紹介してきた。
最近では、多種多様なiPadアプリがラインナップされ、クラウドサービスをはじめとした有効なアプリケーションが続々と登場している。しかし、PCと比べるとiPadではまだまだできることが限られているというのも事実。例えば、ビジネスアプリケーションの代表格であるMS Officeでさえ、2012年11月のリリースがうわさされているという状況である。
そのように、iPadをビジネスで本格利用していない方の理由としては「できることが限られている」ことがあげられるだろう。「できないことはできない」と割り切ってしまえば、iPadの機動性や駆動時間などメリットを享受することが大きいが、何が起こるか分からないビジネスシーンで、iPadに全てをゆだねることができないのも理解できる。
そこで、今回はiPadの利便性とPCの安心感を両立するアプリケーションを紹介する。
目次
iPadの中に会社PCの環境を再現するリモートデスクトップアプリ
通信環境さえあれば、iPadでWindows PCを操作できるアプリケーションがリモートデスクトップアプリだ。
Windows XP以降、リモートデスクトップ自体は一般的になったため詳細は割愛するが、iPad利用においてネックになっていた「できないこと」が全てできるようになる。
具体的には、Officeファイルを開くことやFlashコンテンツを表示することもできるし、普段PCで使い慣れたアプリケーションもそのまま使える。また、会社のネットワーク上にある共有フォルダ内のファイルも参照できるため、iPadでファイルを持ち運ぶ必要もなくセキュリティの観点からも安全だ。

iPadでファイルを持ち運ぶ必要もなくなる
特に評判の良い、iPad用リモートデスクトップアプリをピックアップ
有料版、無料版併せて、特に評判の良いiPad用リモートデスクトップアプリを紹介。
◇iTap mobile RDP
価格は1,000円と他のアプリと比べるとやや値は張るが、細かい操作性やレスポンスなどの機能面においてiPadで使えるリモートデスクトップアプリとしては最高峰。

高性能なiPad用リモートデスクトップアプリ iTap mobile RDP
◇LogMeIn for iOS
操作性も良く、接続も安定している。また、Dropboxの管理も同時にできてしまうのが最も大きな特徴。完成度の高いiPad用リモートデスクトップアプリとしては唯一無料版が用意されている。

無料版もある便利なiPad用リモートデスクトップアプリ LogMeIn for iOS
◇splashtop 2
設定も簡単で、機能性・安定性に優れたバランスのいいiPad用リモートデスクトップアプリ。価格も450円と購入しやすく、普段使いでは全く問題ない。但し、外出先から接続するには、別途費用が発生する。

機能性・安定性に優れたバランスのいいiPad用リモートデスクトップアプリ splashtop 2
iPadでリモートデスクトップアプリを使ってみる
それでは、実際にiPadでリモートデスクトップアプリを使用するとどんなメリットがあるのか、簡単に紹介する。
◇MS OfficeがiPadで使える
複雑な関数を使ったExcelも、表現力豊かなPower PointもiPadでそのまま使える。細かいマウス操作が必要な場面では、iPadの表面をトラックパッドのモードにしてマウスカーソルを移動すると便利。
また、プレゼン時には、プロジェクタにPCのプライマリモニタを投影しながら、そのPCにリモートデスクトップ接続したiPadの画面にセカンダリモニタを表示することによって、iPadに発表者ツールを表示し、iPadでノートを見ながらプレゼンするなんて利用も可能だ。
◇社内ネットワークでファイルを管理できる
クラウドにファイルを上げ忘れた!なんて時も安心。
社内ネットワークやPCのローカルに保存してあるファイルをiPadで直接表示することが可能だ。
◇高い処理能力
モバイル用に作られたiPadでは処理に時間のかかる作業も、リモートデスクトップならPCの処理能力をフルに活用できる。

PCの安心感を機動力の高いiPad上で実現できるiPad向けリモートデスクトップ
iPadを最大限ビジネスで活用するにはクラウドサービスとリモートデスクトップの併用がお勧め
各リモートデスクトップアプリの使用感などについては別途紹介するとして、最後に一言。
iPadでリモートデスクトップアプリを使い、パワフルで使い慣れたWindows PCつなぐメリットは大きいとはいえど、タッチパネルでの操作を想定していないWindows OSのUIや、信環境に依存する操作性など、リモートデスクトップにももちろん欠点はある。
状況に応じて、前項で紹介したクラウドサービスなどのiPad向けサービスを使い分けるのが、最も便利な使い方だということは言うまでもない。