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リファラル採用とは?優秀な人材確保のための導入メリットと課題

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近年、求人・採用の場で注目されつつあるのが「リファラル採用」です。言葉は聞いたことがあっても、どのようなものなのか、はっきりと理解していないという人も多いかもしれません。そこで今回は、リファラル採用の特徴、従来の求人・採用活動との違い、自社に導入する際のメリットなどについて分かりやすく解説します。

リファラル採用とは?優秀な人材確保のための導入メリットと課題

「リファラル採用」は、社内外の人脈を通じて優秀な人材を確保する注目の採用手法

リファラル(referral)とは、「紹介」「推薦」を意味する言葉です。リファラル採用は、広く自社社員の人脈を活用して採用情報を広め、質の高い人材を獲得する採用手法のことです。

日本に古くからある「縁故採用」と似ていますが、企業の幹部や親族といった限られたコミュニティを対象としている点で、大きく異なります。基本的には社員からの人材紹介で、欧米では主流の採用手法です。特にアメリカでは最も採用者数が多い採用経路がリファラル採用という調査データもあります。

アメリカの採用コンサルティング会社CareerXroadsによる大手企業約50社(フォーチュン100企業を含む)を対象にした調査では、企業の約85%が何らかのリファラル採用を導入しています。優秀な人材を確実に確保する手法として定着していることが分かります。

次項では、一般的な採用とリファラル採用の流れをそれぞれ解説します。

 一般的な採用の流れ

一般的な採用の流れについて、採用フローに沿って簡単に見てみましょう。

 一般的な採用の流れ

  1. 企業は、採用情報を求人サイトへ掲載したり、人材紹介エージェントを介して採用情報を登録します。
  2. 自社が採用活動を行っていることを広く告知すると、その情報を見た求職者が、求人サイトやエージェントを通して希望企業に応募してきます。
  3. 企業は、求人サイトやエージェントを介して採用候補者を選考します。
  4. 各企業の定めた手順に従って、書類審査、採用試験、面接を実施して採用候補者を見極めます。
  5. 内定・採用

リファラル採用の流れ

一方、リファラル採用の流れは次のようになります。

なお、リファラル採用は「社内外の信頼できる人脈を介した採用活動」であり、そのためにまずは人材紹介制度の社内フローを整備しなければなりません。

リファラル採用の流れ

  1. リファラル採用(人材紹介)制度の社内フロー整備します。
  2. 人事担当者が求人内容を作成し、社員へ公開します。
  3. 採用情報を見た社員は、友人、知人に社内の求人を紹介します。
  4. 紹介を受けた人材が求人へ応募してきます。同時に社員は人事担当者へその人材を推薦します。
  5. 各企業の定めた手順に従って、書類審査、採用試験、面接を実施して採用候補者を見極めます。
  6. 内定・採用
  7. 最初に規定した制度に従って、紹介ボーナスなどのインセンティブを社員へ支給します。

リファラル採用を導入するメリット

企業がリファラル採用を導入することで、一般的な採用とは異なるメリットが発生します。制度や企業文化によっても異なりますが、多くの場合、次のようなメリットが挙げられます。

  1. 採用のマッチングが向上する
  2. 人材の定着率がアップする
  3. 採用コストの削減につながる
  4. ニッチなスキル・経験を持った人材確保
  5. 転職市場に登場しない人材に出会える

次項から少し詳しく見てみましょう。

1.採用のマッチングが向上する

自社の社員は、自社の社風をはじめ、求人ポジションの仕事で高いパフォーマンスを発揮するために必要とされる能力を深く理解しています。そのため、どのような人材ならば自社にマッチするのかを的確に判断できます。

また、実際に採用された際、紹介した社員の社内での評判にもかかわるため、慎重に人選する確率が高いと考えられます。

2.人材の定着率がアップする

新規採用者は、社内に知り合いが存在することによって、その会社になじみやすいという利点があります。

一方、企業側にとっても新規採用者との橋渡しとなってくれる存在がいることでコミュニケーションがとりやすく、信頼関係もより早く築くことができます。その結果、求人サイトを経由した採用と比べて、定着率が高くなる傾向にあります。

3.採用コストの削減につながる

求人サイトや人材紹介エージェントへの利用には、掲載料や紹介手数料などの費用がかかります。リファラル採用の場合であれば、外部サービス利用のコストが発生しません。そのため、従来の採用活動と比較して、採用コストの削減につながります。

4.ニッチなスキル・経験を持った人材確保

自社の社員は、過去の就業先、出身大学、プライベートの人脈などを通じて、自分と同様のニッチな分野を専門とする人材を知っている傾向が高くなります。通常の採用市場では探しにくい、ニッチなスキル・経験を持つ人材へのアプローチが可能になります。

5.転職市場に登場しない人材に出会える

タイミングや条件が合えば転職してみたいとは思いながらも、実際には転職活動をしていないという人材は、通常の採用市場には登場しません。

よく知っている社員を通じて、転職を勧められたり、採用情報を得たりすることで、転職を考えるきっかけになることがあります。これにより、転職市場に出てこない優秀な人材へのアプローチができます。

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リファラル採用で導入事例の多いインセンティブ制度

リファラル採用で導入事例の多いインセンティブ制度

リファラル採用を促進するために、アメリカ企業では多くの会社で何らかの形でのインセンティブ(紹介報酬)制度を導入しています。日本においても同様の制度を導入している企業が多くありますが、具体的な内容について次項で見ていきましょう。

紹介報酬制度(紹介ボーナス)

紹介報酬制度とは、紹介した人材が採用された時に、社内規定で定められたインセンティブを紹介者(自社の社員)へ支払うことを言います。

支給金額に基準はなく、企業が自由に設定します。一般的には1人あたり数万円から数十万円の報酬を支給するケースが多いようです。また、報酬を金銭以外の有給休暇の増加や人事評価への加点などで定めている場合もあります。

採用活動費用のサポート

紹介者(自社の社員)が、採用候補者に対して、企業や求人情報のことを説明する際に行う会食の飲食費、移動交通費を活動費として支給する仕組みを社内規定に定めておくと、積極的な採用活動につながります。採用活動費の上限や条件は、各企業の実情に応じて定めます。

インセンティブ制度の法律的な注意点

インセンティブ制度はリファラル採用を促進するにあたって有用な制度ですが、法令違反にならないように注意しなければなりません。

「人材を紹介する行為」については、職業安定法第40条において下記のように定められています。

職業安定法第40条(報酬の供与の禁止)

労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

つまり、社員に対して賃金以外の報酬を支払うことは法律で禁止されています。

そのため、インセンティブは「紹介料」としてではなく「賃金として支払う必要がある」点に注意が必要です。賃金としての支払いとする場合には、基本給や手当などと同様に、就業規則や労働契約書に記載された労働契約になっていることが必須となります。

調査データから見る社員のリファラル採用に対する意識

では実際に日本企業におけるリファラル採用は、どのように受け止められているのでしょうか?

総合人材サービス企業のパーソルキャリアが運営するWebメディアd’s JOURNALが、現在、正社員として働いている2030代の会員288名を対象に行った「社員紹介やリファラル採用に関するアンケート調査」の調査結果から、その実態を見ていきましょう。

 PR TIMES|パーソルキャリア株式会社|20代・30代の「リファラル採用」意識調査を実施 ~勤務先に友人・知人を紹介したことがある人は約3割という結果に~https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000358.000022215.html

社員の約3人に1人はリファラル採用に協力したいと考えている

同調査で、現時点でリファラル採用制度がない企業も導入に踏み切ったと仮定して、協力したいかたずねたところ、3人に1人がリファラル採用に協力したいと答えました。

設問:仮に、自社で「友人・知人紹介」の制度があったとして、あなたは協力したいと思いますか?

・協力したい:35.8
・どちらともいえない:42.4%
・協力したくない:21.9%

社員の約3人に1人はリファラル採用に協力したいと考えている

「協力したい」と回答した理由としては、「自社に合う人を紹介できる」、「離職率を下げることにもつながりそう」といった意見が見られました。能力や性格を知っている友人や知人を紹介することは、企業にも社員にもメリットになると感じているのです。

 自社の採用活動の情報について知らなければ、良い人材がいても紹介することもできません。では、社員はどの程度、自社の採用活動を把握しているのでしょうか?

 設問:自社の採用活動に興味はありますか?

・興味があり、貢献したい:27.8%
・興味はあるが、自分が関わることではないと思っている:37.5
・自社の採用活動には興味がない:33.3

自社の採用活動に興味があるのは3人に1人

 上記の通り、興味があり貢献したいと思っているのは3割弱。社員の4人に3人は採用活動を「自分ごと」としては捉えていないことになります。

そのため、人事・採用担当者としては、まず自社の採用についての情報を社内に行き渡らせ、社員に理解を深めてもらう必要があります。

 では、そのための情報は、どの程度、公開されているものなのでしょうか?

 設問:社内に自社の採用活動の状況を知ることのできるサイトやツールはありますか?

・どこを見ればいいか把握しており、見たこともある:37.2
・どこを見ればいいか把握しているが、見たことはない:11.8%
・どこかに情報はあると思うが、知らない:22.2
・採用活動に関する情報は社内でオープンにされていない:28.5

社内に自社の採用活動の状況を知ることができるのは3人に1人

 4割弱の社員は、採用情報はどこを見ればいいか把握しており、見たこともあると回答しています。

一方、「採用活動に関する情報は社内でオープンにされていない」、「どこかの情報はあると思うが、知らない」という回答を合わせると5割あり、採用情報の開示や社内への浸透は、2分される結果となりました。

リファラル採用の導入には、社員への情報開示が不可欠

同調査結果から、企業がリファラル採用を導入する際のポイントをまとめてみます。

  • 社員のリファラル採用への抵抗感は低い
    リファラル採用に積極的に協力したいと考える社員は約3人に1人。協力したくないと答えた社員は約2割で、社員のリファラル採用に対する抵抗感は低いと言えます。
  • 社員は、自社の採用活動を、自分ごととは考えない傾向にある
    自社の採用活動に興味がある社員は約3割。残りの7割の社員は、自社の採用活動を自分ごととしては捉えていません。
  • 社員の半分は、自社の採用情報について十分な情報を得ていない
    5割の社員が、自社の採用情報について十分な情報を得ていません。企業方針としてクローズドな採用活動を行っている場合を除き、自社がいまどのようなポジション・職種の採用を行っているのか、情報共有・社内開示の方法について、現状把握することで課題が浮き彫りになりそうです。

以上の点から考えると、リファラル採用の導入にあたっては、社員への採用活動について十分な情報開示をすることを念頭に置くことがポイントです。その上で、リファラル採用へ理解を促進させる方法、公正なインセンティブ制度の導入など、透明性と適正なフローを整備する必要があります。

自社社員の人脈を活用するリファラル採用で、優秀な人材の確保が可能に

グローバル化や少子高齢化による労働人口の減少などを背景に、企業が事業を継続・発展させていくために、どのように自社に合った優秀な人材を確保できるのかは、経営者や人事担当者にとって悩ましい課題です。

リファラル採用であれば、自社の社員からの紹介を受けて、確度の高い採用活動が可能になります。その導入には、採用活動の在り方の検討や社内制度の整備などが求められますが、中長期的に見たメリットが大きいことも魅力です。この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

この記事の情報は2020年04月10日のものです
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