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産休・育休は、いつから?いつまで?働き方改革で強化された子育て支援|中小企業の働き方改革

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近年の「働き方改革」への取り組みと連動して、産休・育休の取得をはじめとする子育て支援は、着実に強化されつつあります。2020年1月には小泉進次郎環境大臣が、第1子誕生に伴い短時間勤務やテレワークを組み合わせて、3ヵ月の間に合計2週間の育児休暇を取得するという話題が大きく取り上げられました。 そこで今回は、産休・育休制度の基礎知識や、働き方改革によって追加された子育て支援策のポイントなどについて解説します。

日本の女性・男性の子育て環境、仕事との両立の課題

日本の女性・男性の子育て環境、仕事との両立の課題

国が推し進めている「働き方改革」では、妊娠・出産・育児による女性の負担を軽減することで、一人ひとりのライフステージに合わせた雇用を推進させることを目的としています。この方針は、これまで出産などを機に中断を余儀なくされていた女性のキャリア形成を回復し、男性と同等に定年まで働き続けられる社会を目指すもので、少子高齢化に伴う人手不足解消も狙いとしています。

首相官邸が発表している「働き方改革実行計画」によれば、2015年調査で「出産後も仕事を続けたい」と考えている女性が65.1%にのぼっている一方で、「育児との両立の難しさで退職した(25.2%)」、「保育園に入所できず育児休業からの復帰が困難(17%)」という理由から、産後に離職してしまうケースが多く見られます。

また、男性の育児へのかかわりについては、育児休業取得率は女性が81.5%なのに対し、男性はわずか2.65%にとどまっていました。

育児と仕事の両立におけるもっとも大きな課題は、保育施設への入所が困難なことです。2016年の調査では、全国で23,553人の待機児童が存在し、その8割が02歳の低年齢児となっています。

保育所への入園時期は4月が主で、それに合わせるため子供が満1歳になる前に育休を途中で切り上げるなど、母親が希望する休暇期間を満了できないケースも出ています。特に13月に生まれた早生まれ児は、4月に生後数ヵ月で保育施設に預けられることになり、母子ともに負担が大きくなります。

働き方改革で国が推し進めている育児への支援策

国が「働き方改革」ロードマップとして示している具体的な施策として、育児・介護休業法の改正や、保育の受け皿の整備に伴う待機児童の解消、保育士などの処遇改善があります。さらに、これらと並行して、男性の育児への参加推進施策も進めていく方針です。

各施策の内容については、次項で詳しく見てみましょう。

育児・介護休業法の改正

2017年10月の育児・介護休業法の改正によって、子供が満16ヵ月に達した時点で保育園に入れない場合、育児休業期間が最長2歳まで延長されました。

法案成立後、周知徹底期間を経て、現在は着実な施行を図っています。また同時に、雇用保険における育児休業給付の支給期間が延長されました。

保育の受け皿の整備・待機児童の解消

2020年は、2018年から3ヵ年計画で取り組んでいる「子育てあんしんプラン」の最終年度に当たっています。

「子育てあんしんプラン」とは、育児世代である2544歳の就業している女性8割が、安心して子供を預けて働けるようにするため、約32万人分の保育の受け皿を用意するというものです。

女性就業率は年々上昇しており、それに伴い保育施設への申込数も増加しています。そして、「子育てあんしんプラン」を推進するには約7.7万人の保育人材の確保が必要となるため、保育人材における次の課題を総合的に支援していくこととしています。

  1. 処遇改善
  2. 新規の資格取得の促進
  3. 就業継続
  4. 離職者の再就職の促進

一方、待機児童数は2017年度の26,081人をピークに減少傾向にあり、2019年4月時点で調査開始以来最少の16,772人となっています。さらに、全国の市区町村(1,741)のうち、約7割の1,299の自治体において「待機ゼロ」を実現しています。

しかし、待機児童が集中している地域もあります。東京都世田谷区(1位:470人)、兵庫県明石市(2位:412人)、埼玉県さいたま市(3位:393人)などのように、首都圏や近畿圏の都市部が全体の約6割(10,625人)を占めています。

保育人材の処遇改善

2017年度から実施された保育人材の処遇改善策は、すべての保育士などに2%の給与アップを保証するものです。

また、同時期に実施された「技能・経験に応じた処遇改善」は、保育園などの保育施設で働く人材のキャリアアップの仕組みの構築を支援するものです。具体的には、「副主任保育士」など中堅の役職を新たに創設し、その職務・職責に応じた処遇改善を行います。

加算対象となる人材は以下の通りです。

  • 月額4万円の加算対象
    副主任保育士、中核リーダー、専門リーダーなど。
    経験年数おおむね7年以上(※)の者を想定しており、施設の職員数のおおむね3分の1が対象。
  • 月額5,000円の加算対象
    職務分野別リーダー、若手リーダーなど。
    経験年数おおむね3年以上(※)の者を想定しており、施設の職員数のおおむね5分の1が対象。

※ 経験年数は目安であり、各施設の職員構成などに応じて柔軟に対象者を決めることが可能としています。ただし、家庭的保育事業所、居宅訪問型保育事業所においては、それぞれ「7年以上」、「3年以上」です。

男性の育児への参加促進

日本の急激な少子化の進行に対応して、次代の社会を担う子供たちの健全な育成を支援するための「次世代育成支援対策推進法」に基づき、厚生労働大臣が、子育てしやすい企業を認定する「くるみん認定制度」が設けられています。

企業が「くるみん認定」を受けるには一定の要件を満たすことが必要で、男性の育児休業取得も積極的に奨励しています。

主な認定要件は次のようなものです。

  • 男性の育児休業取得率が7%以上であること。
  • または、育児休業取得者と企業独自の育児目的休暇の取得者の合計の割合が15%以上であり、育児休業取得者が1人以上いること。
  • 女性の育児休業取得率が75%以上であること。
    ※従業員301人以上の場合。300人以下の場合は特例あり。

また、男性育児休業の取得状況の見える化を推進するため、同法の一般事業主行動計画の記載事項の見直しを2017年度に行い、2020年度までに男性の育児参加を促進するためのさらなる方策を検討しています。さらに、部下や同僚の育児・介護などに理解のある上司を「イクボス」と名付け、そのロール・モデル集を作成して、男性の育児参加の意識を広げる取り組みも行われています。

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産休はいつから? 誰でも取得できる「産前休業と産後休業」

産休はいつから? 誰でも取得できる「産前休業と産後休業」

産休は、労働基準法(第65条)で定められた国の制度で、正社員・パートタイム・派遣社員・契約社員などの雇用形態を問わず、すべての女性労働者が取得することができます。

休暇の種類と期間は次の通りです。

  • 産前休業
    出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、請求すれば取得できる
  • 産後休業
    出産の翌日から8週間は就業できない。ただし産後6週間を過ぎた後、本人が請求し医師が認めた場合は就業できる

妊娠が分かった女性は、出産後も仕事を続けたいという意思をはっきりと会社に伝え、産休取得期間について早めに相談しておく必要があります。また、妊娠中の定期的な健診の際も休暇を取ることができますが、有給か無給かについては会社の定めによります。

産休に入る前も、妊婦本人から時間外労働や深夜勤務の免除、軽易業務への配置転換を請求することができます。請求があった場合、会社は速やかに対処するよう労働基準法で定められています。

育休はいつまで? 取得できる条件がある&男性もOK「育児休業」

育休は、育児・介護休業法で定められた国の制度で、「出産した女性とその配偶者である男性が、子供が満1歳になるまでの間、養育のために休暇を取得できる」と定められています。しかし、産休とは異なり、「休暇を申し出る前に同一事業者に1年以上雇用されている」、「週に2日以上勤務している」などの条件があり、すべての労働者が取得できるものではありません。

ただ、先に触れたように201710月の育児・介護休業法の改正によって、育休期間が子供が満2歳になるまで延長できるようになり、条件が合う場合には利用しやすくなっています。

育児休業が取得可能な期間は最長2歳まで

育児休業は条件に応じて次の期間になります。

  1. 基本の育休期間:出産より1年間
  2. 子供が満1歳になった時点で保育所に入れないなど、復職が困難な場合は6ヵ月の延長が可能
  3. さらに子供が満1歳6ヵ月になった時点でまだ保育所に入れなかった場合、さらに6ヵ月の延長が可能

育児休業が取得可能な期間は最長2歳まで

参考:厚生労働省|育児・介護休業法のあらまし

男性の育児参加のメリット

男性が育休を取得するメリットとしては、子供への愛情が増し家事・育児への理解が進むこと、育休復帰後も積極的に家庭のことに参加するようになることが挙げられます。また、仕事の面でも、休暇取得前後に引き継ぎをすることで業務の見直しができ、効率化が図れるといったメリットがあります。

産休・育休で得られる国の経済的支援

産休・育休制度以外に、国が定める育児支援は次のようなものがあります。

  1. 育児休業給付
    雇用保険に加入している人が育児休業を取得した際、給付金の支給を受けることができます。原則として休業開始時の賃金の67%(※)が支払われます。ただし、休暇取得から6ヵ月以降は50%になります。
    ※2014年に50%から67%に引き上げ。
  2. 育児休業など期間中の社会保険料の免除
    育児休業をしている間の社会保険料が、被保険者本人および事業主が年金事務所または健康保険組合に申出をすることによって、個人負担分および事業主負担分ともに免除されます。
  3. 産前・産後休業期間中の社会保険料の免除
    産前・産後休業期間中についても、厚生年金、健康保険料が免除されます。
    ※2014年から施行。
  4. 出産手当金
    女性が出産のために仕事を休み、その間に給料の支払いを受けなかった場合、健康保険から支給される手当です。出産日以前42日から出産日後56日までの間、欠勤1日について、健康保険から賃金の3分の2相当額が支給されます。

今後も推し進められる国の支援策

2020年以降も、政府主導での育児支援政策は続いていくと予想されます。現時点で施行が決定している、新しい支援制度を2例ご紹介します。

「子の看護休暇」が時間単位で取得可能に(202111日施行)

育児・介護休業法規則などの改正により、202111日から、子供の病気やケガなどの際に取得する看護休暇が「時間単位」で取得できるようになります。

現行法では「小学校入学前の子供を養育する労働者は、会社に申し出ることによって、年次有給休暇とは別に、1年につき5日間、子供が2人以上なら10日間、病気やケガをした子供の看護、予防接種および健康診断のために休暇を取得することができる」と定められていますが、いずれも半日単位の取得のみでした。今回の改正によって、より柔軟な休み方ができるようになり、子育て世代の人の働きやすさが増すと期待されています。

法改正のポイントをまとめると次のようになります。

【改正前】
・半日単位での取得が可能
・1日の所定労働時間が4時間以下の労働者は取得できない

【改正後】
・時間単位での取得が可能
・すべての労働者が取得できる

両親が協力して育児休業を取得できる「パパ・ママ育休プラス」特例

「パパ・ママ育休プラス」とは、両親がともに育児休業する場合、一定条件を満たせば、最長で子供が満12ヵ月になるまで育休期間が延長できる制度で2010年に始まりました。

両親が同時に育休を取得することで、互いに家庭の仕事をサポートし合うことができ、さらにこの間に育児方法を男性が知ることで育休復帰後も両親で協力して育児をする習慣づけができることを目標にしています。

両親が協力して育児休業を取得できる「パパ・ママ育休プラス」特例

参考:厚生労働省|両親で育児休業を取得しましょう!(リーフレット)

「パパ・ママ育休プラス」を取得するためには、次の条件があります。

  • 両親がともに育児休業を取得すること
  • 配偶者が、子供が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
  • 本人の育児休業開始予定日が、子供の1歳の誕生日以前であること
  • 本人の育児休業開始予定日は、配偶者が取得している育児休業の初日以降であること

また、ママが出産後8週間以内に、パパが育休を取得した場合、特別な事情がなくても再度、パパが育休を取得できる「パパ休暇」という制度もあります。これと「パパ・ママ育休プラス」をうまく組み合わせれば、男性の育児参加がさらに促進されると期待されています。

最新の子育て支援制度を理解して、働きやすい職場づくりを

産休・育休は、労働基準法や育児・介護休業法に定められた労働者の権利です。また少子高齢化対策や働き方改革への取り組みが進む中で、今後もさらに支援制度が拡充することも考えられます。

職場の従業員が、安心して妊娠・出産・子育てをすることができ、また休業後の職場復帰に不安を抱くことがないような環境を整備することは、多様な働き方を認め、働きやすい企業としての魅力を形作るものです。改めてこの機会に産休・育休制度について考え、自社の環境整備に役立ててみてください。

 

この記事の情報は2020年03月16日のものです
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