はじめに
名刺をデータ化して管理するために、エクセルを使っている人も多いのではないでしょうか。エクセルはなじみが深いこと、そして任意の条件で、瞬時にお客様を検索したり、データを年賀状ソフトにエクスポートしたりすることができるので、大変便利ですよね。
ただ、名刺情報が元ということであれば、毎日のように情報が増えていくわけですから、入力だけでも結構な手間になるはず。エクセルで効率よく名刺管理をするコツは、適宜時短や便利な技を使いこなすことにあるといえます。
そこで今回は、エクセル2013で名刺整理する時に知っておくと便利な技をご紹介します。
1.フォームでカンタン入力
エクセルで作成した表に項目を入力していく際、セルからセルに移動するのに、タブや矢印キーを使用して行っていませんか。実はエクセルのフォーム機能を使えば、いちいちセルを移動しなくても、タイトル行に沿って順番に項目を入力していくことができます。
以下にその方法をご説明します(画面が一部エクセル2010ですが、2013でも同様のことが可能です)。
(1)タイトル行を作成し、データを入力するセルを選択後、「データ」→「フォーム」をクリックします。
※「フォーム」が表示されない場合の対処法
画面上部のクイックアクセスツールバーにある「▼:クイックアクセスツールバーのユーザー設定(三角の上に線が入っている図形)」を選択し、をクリックし、表示された一覧から「その他のコマンド」をクリックします。
「エクセルのオプション」が表示されるので、「コマンドの選択」ボックスから「すべてのコマンド」を選びます。
続いて、左側のボックスから「フォーム」をクリックし、「追加」をクリックします。
クイックアクセスツールバーに「フォーム」のアイコンが表示されたのを確認して「OK」を押します。
エクセル入力画面に戻り、タイトル行を作成します。
次にデータを入力するセルをクリックし、クイックアクセスツールバーから「フォーム」をクリックします。
(2)「リストまたは選択範囲のどの行に列見出しが含まれているかを特定できません。…」というメッセージが表示されたら、「OK」をクリックします。
(3)入力フォームが現れますので、左のタイトルに沿って入力をしたあと、Enterキーを押すと、自動的に行が変わります。
入力する際に見やすく、新しい行も簡単に挿入されるので、操作性も向上し、作業もスピードアップします。
2.フリガナを自動で別のセルに表示する
フリガナはソートをかけたり、並べ替えたりする時に大切な列です。エクセル2013では、漢字を入力したセルとは別のセルにフリガナを表示することができます。
(1)フリガナを入れたいセルにカーソルを合わせ、「数式」メニューから「その他の関数」→「情報」を選び、PHONETIC関数を選びます。
(2)フリガナを振りたいセルを選択し、Enterキーまたは「OK」を押します。すると下記のようにフリガナを振ることができます。
後はフリガナを入れたい他のセルに、全てにコピーするだけです。
従前のフリガナ機能は漢字の直上に小さく表示され、見にくかったりしたのですが、これで見やすくなります。また、フリガナを独立したデータ項目として扱いたい時に、いちいち入力するのは面倒ですから、PHONETIC関数で便利で作業時間も短縮されます。
3.フラッシュフィル
名簿を作成する時、例えば姓と名に分けて入力されたデータを、後から一つのセルにまとめたい場面に出くわすことがありますよね。そんな時、エクセル2013の新機能「フラッシュフィル」を使うと、簡単にできます。
(1)姓と名を一緒にしたい初めのセルの隣を選択し、姓と名を一緒にしたデータを手入力します。
(2)2件目のセルを選択し、姓を入力し漢字に変換します。データが自動認識され、表の最終行まで氏名が表示されます。さらにエンターを押すと最終行まで氏名が自動的に入力されます。
姓と名以外にも、別々のセルに入力された情報を一つのセルにまとめるという作業は意外に多いものです。関数を使うという手もありますが、フラッシュフィルを使うともっと簡単にスピーディーにできるようになります。
4.入力できるセルを制限する
名簿の入力と修正を営業担当が行うような場合、関数や数式の入ったセルには間違えて入力してほしくないものです。そこで、入力可能範囲を指定する方法を説明します。
(1)自由に入力できる範囲をアクティブにして右クリックをし、「セルの書式設定」を選びます。
「保護」の項目に「ロック」という表示が現れるので、画面からロックを外します。
(2)「校閲」タグからシートの保護をクリックすると、シートの保護画面が出てきます。
「ロックされたセル範囲の選択」と「ロックされていないセル範囲の選択」をチェックし、OKを押します。
この処理により、大事な式や関数を間違えて消されてしまうこともなくなり、余計な仕事がなくなります。
5.カラーの表をモノクロで印刷する
名簿をパソコンの画面上で作成する時、カラーで色分けされていると操作しやすいものです。ところが、そのままこれを印刷すると、カラーのためかえって見にくくなったりすることもあります。また、紙の名簿に、マーカーしたり、書き込みをしたりしたい時には、白黒で出力されている方が良い時もあります。
そこで、印刷しても、白黒でかつ、塗りつぶしもない設定の仕方を説明します。
(1)「ページ設定」画面の「シート」にある「白黒印刷」をチェックします。
印刷の操作で「白黒」で設定しても、塗りつぶしは残ってしまい、見にくくなってしまいます。この方法であれば設定を変えるまで、常に白黒印刷できるので、印刷の時に面倒な設定は不要です。
おわりに
エクセルの良さは、作成した名簿を、どんどん使いやすく便利に変えていくことができることです。以上紹介した技以外にたくさんのエクセルのテクニックがあります。
「こんなことできないかな」と思ったことが、意外とできるのがエクセルの便利な点だといえます。いろいろと調べたり工夫したりして、効率的に名刺管理を行ってください。