名刺管理ソフト「名刺読取革命Ver.2」はパナソニック ソリューションテクノロジー株式会社が提供するインストール型の名刺管理ソフトである。すでに同製品の生産は終了しているものの、ダウンロード版とライセンス版は引き続き提供している。名刺の読み取り方法が多様な点が特徴的である。デジタルカメラ・スキャナーといった外部から名刺データを読み取るだけでなく、すでにPCに入っている画像キャプチャー、クリップボード、画像ファイルからも名刺を読み取りデータをソフトウェアに登録できる。
名刺読取革命Ver.2
- 製品名:名刺読取革命Ver.2
- 開発元:パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
- 価格・利用体系:2,980円(ダウンロード価格 店頭販売は現在停止)
- 製品形態:ダウンロード購入・インストール型
OCR機能を持つ名刺管理ソフトは、増えている。しかしその読取り精度はといえば、ソフトウェアによってまちまちだ。場合によっては「結局、全て手入力しなきゃいけない」なんていう嘆きの声も聞こえてくる。
そこで今回、読取り精度をポイントに高いパフォーマンスを発揮するソフトウェアをご紹介したい。
データの読込方法は5つ
パソコンに取り込んだ名刺データから連絡先情報を読み取り、専用ソフトで管理する。それが、「名刺読取革命」だ。パナソニック ソリューションテクノロジー(株)から提供されており、ソフトウェアは有料(価格はライセンス数による)。ただし「無料体験版」をダウンロードすれば、30日間その機能を試すことができる。
名刺読取革命は、専用サイトから直接パソコンへソフトウェアをダウンロードして使用する。ファイルサイズは68.6MBなのでそこまで重くはないが、念のため事前にパソコンの残り容量は確認しておきたい。
ダウンロードが完了すれば、すぐに使用することができる。ダウンロードの過程でデスクトップへのショートカット作成を選んでおくと、あとからプログラムを起動するのが楽になる。
起動すると、最初は当然ながらまっさらな状態。最初に行うのは、名刺データの読み取りだ。メニューバーの「名刺読み込み」横の「▼」をクリックすると、データの取得方法が表示される。
<主なデータ読込方法>
・デジタルカメラ
パソコンと接続されたデジタルカメラから、保存された画像データを読み込む。
・スキャナー
パソコンと接続されたスキャナーで、名刺データを新規に読み込む。
・画像ファイル
既にパソコン上で保存されている、画像データを読み込む。
・クリップボード
クリップボードに保存されているコピーデータから、データを読み込む。
・画像キャプチャー
パソコン画面上をキャプチャーして、その画像を読み込む。
今回は、最も利用シーンが多そうな「スキャナー」でデータを読み込んでみたい。尚、既にたくさんの名刺データをパソコンに保存している人は、まずそのデータを読み込もう。以後、新しい名刺のみスキャナーで読み込みを行えば良い。
読み取り精度はまぁまぁ…でも、レイアウトには注意が必要
読み取り操作は、至って簡単。スキャナーに名刺をセットしたら、メニューから「スキャナー」をクリックするだけだ。
ただし使用しているスキャナーによっては、この後にスキャンの設定画面などが開く。その場合は、使用している機器に応じて操作しよう。事前にスキャナーとパソコンの接続、及びスキャナー本体の電源が入っているかも確認しておきたい。
スキャンが完了すると、読み取ったデータが画面上に表示される。画面上の各項目をクリックすると、下にある画像のどの部分を読み取ったのかが分かる(黒く塗りつぶされる)ので便利だ。
今回名刺に記載されている情報は、以下の
・部署名
・氏名
・会社名
・メールアドレス
・住所
・電話番号
・FAX番号
の7つ。このうち正確に読み取れたのは、「会社名」「郵便番号」だった。「住所」と「FAX番号」は、あと一歩というところ。メールアドレスと部署名は認識されなかった。
氏名については項目が埋まっているものの、名刺上だと会社名の上にあるロゴの文字が氏名として認識されてしまっている。この名刺では氏名だけが縦書きなので、項目として認識されなかったのだろう。
そう考えれば、読み取りの精度はそこそこ高いと言えそうだ。ただし、名刺の項目レイアウトは注意が必要。きちっと全て横書きに並んでいるような名刺なら、かなりの精度で読み取ってくれるだろう。
データは見やすい五十音順
画像データを読み取ったら、「登録」をクリックすればデータベースに情報が登録される。
ちなみに名刺読取革命では、使用する際にデータベースの作成が必要になる。初めて利用する場合には起動時に作成を促されるので、指示に従ってデータベースを作成しよう。データベースを分けておけば、属性別に名刺ファイルを分けて管理することも可能だ。
登録した名刺は、読み取った「読み仮名」をベースに五十音順で振り分けられる。
「氏名」「会社名」それぞれで振り分けてくれるので、例えば1つの企業に複数の担当者がいるといった場合にも管理がしやすいだろう。例え名前を忘れてしまっても、会社名が思い出せれば名刺データが表示される。
尚、文字列での検索もできるので、登録データが膨大になっても安心だ。
登録データは後からでも修正可能
登録データに誤りがあれば、後から修正することも出来る。例えば相手が部署移動したり、連絡先が変わることもビジネスシーンでは多いだろう。そんなときは新しい名刺をもらわなくても、情報だけをもらって書き換えれば事足りるわけだ。
まとめ
有料ソフトウェアだが、連絡先の管理・検索の効率化は大いに期待できるソフトウェアといえるだろう。まずは体験版で試してみて、そのまま製品版へデータを移行できるのも嬉しい。
ご紹介した基本機能の他にも、名刺データを使用した機能が数多く盛り込まれている。例えば住所データから地図を表示したり、路線検索を行ったり。デザインがシンプルなので、操作に迷うこともないだろう。
特にパソコンのメーラーソフトとして「Outlook」を使用しているのであれば、是非とも試してみて欲しい。名刺読込革命からダイレクトに、登録された連絡先情報をOutlookへ連携させることもできる。つまりメーラーソフトと名刺管理ソフト、2つの場所へ同じ情報をわざわざ登録する手間も省けるのだ。