名刺管理で見なおす働き方改革

リーダーシップとは|意味や定義から紐解くビジネスリーダーに必要な能力・スキル

投稿日:
IT化、働き方改革、人手不足…。近年、社会を取り巻く環境が大きく変化し、企業にも新しい時代に合ったリーダーが求められています。 そこで今回は、「リーダーシップ」についての基礎知識や、リーダーに必要な能力・スキルについて解説します。企業や組織・チームにとってリーダーシップとはどのようなものなのか?そのポイントを見ていきましょう。

リーダーシップとは 意味や定義から紐解くビジネスリーダーに必要な能力・スキル

リーダーシップとは

新しい時代に合った「リーダーシップ」とは、どのようなものを指すのでしょうか。それを知るために、現在、進んでいるビジネス環境の変化にクローズアップすると、次のような特長が挙げられます。

  • IT化や技術革新により、時間や空間の情報共有(情報受発信)の制約がなくなる。
  • アイデアや思考をもとにしたイノベーション(サービスやアプリ)が市場価値を生んでいる。
  • さらなるグローバル化が進展し、国境を越えた経済・生産活動が浸透している。
  • 異業種との取り組みや外部提携によるオープンイノベーションが活発化している。

このようなビジネス環境の変化の中で企業は、厳しい価格競争や人材不足、事業承継の課題、地球環境への配慮、コンプライアンスの重視など、さまざまな課題と向き合って事業を持続、成長させていかなければなりません。その中で大切になってくるのが、企業の事業活動を支える人材や組織、それをけん引するリーダーシップです。

リーダーシップの意味

ビジネスにおけるリーダーシップの意味をひと言で表すと、「組織やチームを統率し、企業や部門が定める目標達成に向けて、個々のメンバーやチームの意欲を最大化・最適化しながら、組織やチームを推し進める力」と言えます。

リーダーシップと言うと、人々を惹きつける強い個性を持った人や、革新的な考えと強い行動力を持った人のようなカリスマ型リーダーをイメージしがちですが、それはリーダーシップの1つの型に過ぎません。むしろ近年では、メンバー参加型のマネジメント手法や権限移譲、目標達成に向けてメンバーを支援する奉仕型のリーダーシップなど、メンバーやチームの自主性を引き出すマネジメントに注目が集まっています。

時代と共に変化してきたリーダーシップ理論

リーダーシップについての考え方は、時代の変遷とともに変化してきました。社会の在り方やビジネス環境によって、その時代に最適だと思われるリーダー像が、さまざま提唱されてきたわけです。そのため、その時の時代背景や経済状況ごとにリーダーシップ理論が異なり、「リーダーとは何か」、「リーダーシップとは何か」というモデルも変わってきました。

  • 特性理論(1900 年代~)
    あるべきリーダー像として、リーダーに共通する先天的な特性を特定しようとしました。古典的な理論で、古代ギリシャの哲学者・プラトンの議論(対話『国家』)にも登場し、リーダーは生まれながらの資質であるとされます。
  • 行動理論(1940~1960年代)
    リーダーと呼ばれる人の行動に注目した理論です。その中でも、生産(タスクや業績)指向の行動と、従業員(人や人間関係)志向の行動とに2つに分けられるとしました。行動理論の中で代表的なものが、日本の心理学者の三隅二不二(みすみじゅうじ/じふじ)氏が提唱したPM理論です。理想のリーダーは、パフォーマンス(P:課題軸)とメンテナンス(M:人間関係)軸の双方に優れているとしました。
  • 条件適合型理論(1960 年代後半~)
    リーダーの行動だけに着目するのでなく、メンバーやビジネス環境を加味して、リーダーはとるべき行動を変えていくことが効果的とする理論です。あらゆる状況に対応できるような普遍的な在り方はない、という点がこれまでとは大きく異なります。
    経営学者のロバート・ハウスが提唱したパス・ゴール理論が代表的なものです。リーダーが適切な道筋(パス)を与えることで、メンバーや組織が目標(ゴール)を達成できるとしています。環境に応じてリーダーシップ行動を「指示型」、「支援型」、「参加型」、「達成志向型」の4つに使い分けることが特長です。
  • コンセプト理論(1980 年代前後~)
    現代の主流になっている理論です。条件適合型理論を前提としながら、具体的なビジネスシーンのパターン(コンセプト)ごとに、どのようなリーダーシップをとるべきかを提唱しています。詳しくは後述します。

新時代のリーダーシップの3つの定義

リーダーシップが時代による変化を見てきましたが、ここで世界的なリーダーシップ研究開発機関CCLCenter for Creative Leadership)が示している最新の「未来のリーダーシップの在り方」をご紹介します。

  1. 水平かつ垂直的な視点が相互の成長につながる
    「水平的」な視点とはスキル・行動の習得です。「垂直的」な視点とは、マインドの成長や意識のステージが上がるなど、世界への認識や意味づけを発達させることです。課題と解決法が明白なときは水平的に獲得した技術が役に立ちます。より複雑な状況では垂直的な視点が必要となります。
  2. 自身のリーダーシップ開発を自律的に行う
    従来型のリーダーシップ開発はリーダー候補者の自発的なものでなく、トップダウンにより決められる傾向が強いものでした。しかしこれからは、メンバーが自分の成長プロセスのオーナーシップを、自分で握ることが大切です。
  3. ネットワークに広がる「集合的」なリーダーシップ
    今までリーダーシップは一個人が担う役割と考えられてきました。しかし、「リーダーシップとは、人々のネットワークの中に広がった集合的なプロセスである」とします。権限や役職に拠らず、メンバー全員がそれぞれの立場でリーダーシップを発揮することで(発揮できる環境づくりがなされていることで)、課題解決と目標達成に集中できます。

これまでのように経営層やマネジメント層によるリーダーシップから、メンバー全員がリーダーシップを発揮できるような環境づくりを提唱しています。

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとマネジメントは混同されることが多い概念です。リーダーシップは、設定した目標へ向かって行動を促す力であり、「未来」の「目標」へ向かって「何を(What)」という部分に深くかかわっています。

これに対してマネジメントはどうでしょう。マネジメントの父とも呼ばれる経営学者ピーター・ドラッカーの定義によれば、マネジメントは「組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関」です。つまり、リーダーシップにより示されたビジョンを、「どのように(How)」達成するのかの「手段」や「管理」の面にかかわります。

リーダーシップが長期的な視野で将来に向けたビジョンと目標を推進することなのに対し、マネジメントは短期的な視野で、どのように目標を達成して業務を進めていくのかの実務的な手段や管理と言えます。

リーダーシップの必要性

近年、ビジネス環境の変化や多様な働き方の推進を背景として、リーダーや管理職だけでなく個々のメンバーにも、リーダーシップを発揮することが求められるようになってきました。これにより、次のような効果が得られると考えられるからです。

  • メンバーの視野が広がることで作業の効率化が可能になる
  • メンバーの主体性を引き出すことで、メンバーのモチベーションが向上する
  • メンバーの行動によって、チームやマネジメントに好影響を与える

急激に変化するビジネス環境の中でリーダーシップのあるべき姿も変化していきますが、時代のニーズに応じたリーダーシップが必要なことには変わりありません。

リーダーシップの5つの種類と特長

リーダーシップの5つの種類と特長

現代のリーダーシップ理論の主流になっているコンセプト理論には、代表的なリーダーシップの類型が5つあります。

  • カリスマ型リーダーシップ
  • 変革型リーダーシップ
  • EQ型リーダーシップ
  • サーバント型リーダーシップ
  • ファシリテーション型リーダーシップ

カリスマ型リーダーシップ

カリスマ型リーダーシップは、魅力的な個性と強い行動力で、組織とメンバーをけん引します。ビジョンを提示する、自らリスクをとる、環境を現実的に評価する、メンバーを理解してニーズや感情に対応する、並外れた行動をとる、といった特長があります。機能すると、大きく事業発展したり、メンバーの満足度が高くなったりしますが、メンバーがリーダーに依存しすぎたり、後継者が育ちにくくなります。

変革型リーダーシップ

変革型リーダーシップは、経営危機など変革が必要な状況において、これまでの組織や事業の見直しや再構築など、大胆に変革を推進します。

組織内に危機感を醸成する、ビジョンを構築する、メンバーの自発的な行動を促す、小さくても良いので早期の成功を実現する、といった特長があります。機能すると、経営危機を急激に回復させますが、変革を成し遂げる強いエネルギーを持った人材を育成するためには相応の時間やコストが発生します。

EQ型リーダーシップ

EQ型リーダーシップは、メンバーの感情面へ働きかけ、メンバーをポジティブな方向性へリードして目標を達成します。EQEmotional Intelligence Quotient)は「心の知能指数」のことです。EQ型を構成する要素としては、自分の感情を理解する、自分の感情をコントロールする、他者の感情を理解する、他者の感情への働きかけ(人間関係)をコントロールする、の4つがあります。

機能すると、良い雰囲気を醸成して集団を導いたり、人の心を動かして情熱に火をつけ能力を最大限引き出します。一方で、メンバーの気持ちに着目するため、人の気持ちを無視しづらく、人事異動や組織再編を行う際に支障が出ることがあります。

 サーバント型リーダーシップ

サーバント型リーダーシップは、リーダーがメンバーに奉仕するかのように業務をサポートし、ビジネスを好循環させます。サーバント(servant)は「召し使い」という意味ですが、リーダーがメンバーの召し使いになるということではありません。あくまでも、ビジョンや最終的な意思決定、責任はリーダーが負っていて、メンバーを上手にサポートすることで能力を発揮しやすいように組織運営を行います。一般従業員からリーダー・マネジメント層へ向かう、逆ピラミッド型の組織構造になります。

機能すると、従業員満足度が向上し、それに伴って顧客満足度も上がります。組織の変革が必要な際には対応がしにくく、時間的なコストもかかります。

ファシリテーション型リーダーシップ

ファシリテーション型リーダーシップは、中立ポジションでファリシテーション(まとめ役)を行うことで、メンバーの意見や情報を引き出し、それぞれのメンバーが主体的に行動するよう促すリーダーシップです。近年、注目されているリーダーシップで数多くの育成のための研修が提供されています。質問や傾聴でメンバーの意見を引き出す、メンバー主導で意見・結論をまとめさせる、メンバーに主体性を持って行動させる、といった特長があります。

機能すると、メンバーの自主性が引き出されて組織が活性化したり、合意形成への納得感が従業員のモチベーション向上につながったりします。その反面、組織の変革がしにくく、時間的なコストもかかります。

リーダーシップをとるために必要なスキル・能力

これまでご紹介してきたように、リーダーシップのとり方には各種理論に基づいたさまざまな手法がありますが、現代のビジネス環境においてリーダーシップをとるために必要なスキルや能力には、具体的には次のようなものが挙げられます。

  • 建設的な問題解決を促すロジカルシンキング
  • チームメンバーとの信頼関係を築く
  • 真意を理解し、心を安定させるカウンセリング
  • 意欲と成長を引き出すコーチング
  • 組織を活性化するファシリテーション

各スキル・能力について詳しく見ていきましょう。

建設的な問題解決を促すロジカルシンキング

ロジカルシンキングとは「論理的思考」という意味で、「物事を論理的に考えること」を指します。ビジネスのさまざまな問題解決の手法として役立ち、次のような手順を踏みます。

  1. 多方面の角度から問題点を検討する
  2. 問題が起きている本質的な理由を分析・発見する
  3. それらを解決する対策・方法を考え出す

短時間で問題の本質的な解決法を探せることや、論理的な思考と意思決定を促すために、チーム全体で課題や解決策の共有を図りやすいことが特長です。

チームメンバーとの信頼関係を築く

チームメンバーとの信頼関係が築かれていると、目標達成に向けたコミュニケーションが円滑になります。部下と上司間、先輩と後輩間など、メンバー同士が信頼感を抱いていることで、互いの意見を尊重し、教え合ったり助け合ったりする安定した職場環境づくりが可能になります。

目標達成のために、リーダーが他のメンバーと信頼関係を築くためには、次のようなステップが大切です。

  1. メンバーの業務やメンバー自身のことを知る
  2. 公平・公正に評価
  3. 指導する

真意を理解し心を安定させるカウンセリング

目標達成に至るまでには、想定外の課題や失敗などが発生します。こうしたストレスは、メンバーやチームのモチベーションに影響し、最悪の場合は目標へ向けて行動すること自体がストップしてしまいます。そこで、メンバーが感じているストレスを把握し、かつ共感し、状況の整理やアドバイスを行うことで、心の安定がもたらされるようサポートします。

心理療法のようなカウンセリングは専門家でなければできない難しい手法ですが、「カウンセリング・マインド」と呼ばれる「カウンセリング的に人とかかわろうとする態度」で業務をサポートすることでも十分な効果があります。メンバーの気持ちに共感し、寄り添うことで、結果として安定したコミュニケーションや目標達成に向けた業務プロセスを踏むことが可能になります。

意欲と成長を引き出すコーチング

コーチングは、ビジネスに限らずスポーツや教育現場など幅広く用いられている指導手法です。コーチとなる指導者が対象者との対話を通じて、抱えている問題への発見や気づきを促して、自身で答えを導き出せるようにサポートします。これにより、メンバーの意欲を引き出し、自主性が育まれることで成長が期待できます。

コーチングの基本スキルの特長には次の3つがあります。

  • 問いかけ
  • 傾聴(承認)
  • フィードバック

コーチが決めた答えを与えるのではなく、「答えはその人の中にある」という原則に基づいて「答えを創り出す」という考え方がポイントです。

組織を活性化するファシリテーション

ファシリテーションとは、会議やプロジェクトなど人が集まる場で、メンバーの活動がスムーズに進むように支援し、うまくコトが運ぶように舵取りをすることです。リーダーはファシリテーターと呼ばれ、会議進行役のような役割を担います。

ファシリテーターには、ステップに応じた次の4つのスキルが必要です。

  1. 場をデザインするスキル
    問題解決などの目標を共有し、協働意欲を高めるようなチームづくり、場の雰囲気づくりをします。
  2. 対人関係のスキル
    メンバー同士の相互理解を深めるようなコミュニケーションを図り、議論を活性化します。
  3. 構造化のスキル
    議論で得られた意見を論理的に整理して、論点を絞り込みます。
  4. 合意形成のスキル
    チーム全体のコンセンサスに向けた意思決定を行います。

リーダーシップを高める方法

「管理職やチームリーダーの立場になったのでリーダーシップについて考えたい」、「リーダーシップに必要なスキルについて改めて学びたい」という人をはじめ、これからリーダーを目指す人に向けて、さまざまなスキルアップ方法があります。

  • 人材開発会社、コンサルタント会社のリーダーシップ研修
    民間企業から公的機関まで、さまざまなリーダーシップ研修が提供されています。役職別、学習日数、学習形態など、自分のニーズや立場に応じたものを選ぶことができます。
  • オンライン(eラーニング)で受けられるリーダーシップ講座
    まとまった時間がとれない場合、場所や時間を選ばず受講できるのがeラーニングです。講座によっては自分のスケジュールに合わせて、ちょっとしたスキマ時間を活用して効率よく学習できるものもあります。
  • ビジネス書、大学のオープンカレッジ、イベントで学ぶ
    経営学や心理学からのアプローチなど、多種多様なビジネス書が発行されています。コストをあまりかけずに独学で学びたい場合や、まずは理論の概略を知りたいという場合には、ビジネス書を読んで独学するのもおすすめです。大学のオープンカレッジ、セミナーなどのイベントでリーダーシップをテーマとしたものがないか探してみるのも良いでしょう。

時代のニーズにマッチしたリーダーシップへの理解を深めよう

リーダーシップは時代の変遷とともに求められる姿が変化してきました。現代のビジネス環境では、働き方改革やグローバル化など、激変する市場に合わせて柔軟に対応できる組織を運営できるようなリーダーシップ理論に注目が集まっています。

ここでご紹介したリーダーシップの意味や歴史、リーダーシップに必要な能力やスキルを参考に、自社の組織やチーム、そして一人ひとりのメンバーを成長させるようなリーダーシップについて、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

この記事の情報は2020年02月05日のものです

名刺管理の関連資料

名刺管理を行う上で役に立つ資料を用意しております。ぜひダウンロードしてご活用ください。

名刺管理アプリ・ソフト
の比較資料

名刺管理エクセル
テンプレート

名刺管理ノウハウ集

3分で分かるSansan

↑